Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさんのみたにんぎょう
お父さんの見た人形
小川 未明
Lesen Sie お父さんの見た人形 (おとうさんのみたにんぎょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.705 Zeichen · 8 Bildschirme
「こんど、帰るときは、お人形を持ってくるよ。」と、出かける時分に、お父さんは、いいました。
娘は、その日から、まだ見ない人形に憧れたのでした。そのお人形を、外国のどんな子供が持っていたのだろう……。どんな町のお家で、そのお人形は、産まれたのだろう……。もし、そのお人形が、遠い旅をして、わたしのところへきたら、わたしは頼りのないお人形さんをかわいがってあげるわ……と、思っていました。そして、彼女の心は、港の町の古道具屋の前をさまよったのでした。
* * * * *
南の国には、もう春がきたのであります。ある日の昼ごろ、馬車から下りて、古道具屋へはいった、美しい奥さまがありました。
「そのお人形を見せてください。」といいました。おばあさんは、お人形を見せると、奥さまは、それを手に取って、「いいお人形ですこと、私に売ってください。」といいました。すると、おばあさんは、
「じつは、毎日、このお人形を見にいらっしゃる、かわいいお嬢さんがあるのですよ。そして、今夜の六時まで、だれにも売らんでおいておくれ、お父さんがもらいにくるからとおっしゃるのですから、どうか、その時刻までお待ちください。