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Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさんのみたにんぎょう

お父さんの見た人形

小川 未明

Lesen Sie お父さんの見た人形 (おとうさんのみたにんぎょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.705 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

娘の父親は、船乗りでしたから、いつも、留守でありました。その間、彼女は、お父さんを恋しがっていたのです。

「いまごろは、どこに、どうしておいでなさるだろうか?」

こう思うと、少女の目には、はてしない青い海原がうかびました。そして、その地平線を航海している、汽船の影が見えたのであります。

「もう、いくつ眠たら、お父さんは、お帰りなさるだろう?」

彼女は、毎日、恋しいお父さんの帰りをば待っていました。

娘が、こうして、家で思っているように、船に乗っている父親は、また、子供のことを思っていました。

「どんなにか、私の帰るのを待っているかしれん……。」

父親は、汽船の甲板の上に立って、これから、船の着こうとする港の方をながめていました。そして、指を折って、故郷へ帰る日のことなどを考えていました。

娘には、母親がなかったのです。彼女の小さな時分に、お母さんは、なくなってしまった。彼女が、父親を慕ったのも、父親が、一倍娘をかわいがったのも、そのためでありました。

たとえ、父と子は、たがいに思っても、幾千マイルとなく隔たっていました。そして、まだ、なんの陸らしいものも目にはいりません。