Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かたいおおきなて

かたい大きな手

小川 未明

Lesen Sie かたい大きな手 (かたいおおきなて) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.886 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ばかっ。」と、おじいさんは、きゅうにむずかしい顔をして、おこりました。なにも、しかられる理由は、ないと思ったけれど、それきり、勇吉は、だまってしまいました。

二人は、西日のさす、かわいて、白くなった往来をいきました。ほどなく、あちらの水色の空へ、えんとつから、黒い煙が、もくら、もくらと、のぼるのが見えました。

「おじいさん、まだ、お湯屋は、あいていませんよ。」と、勇吉は、立ちどまりました。

「どうしてか。」

おじいさんもいっしょに立ちどまって、そちらを見たが、とつぜん、

「あれは、なにか。」と、さもびっくりしたような、顔をしました。道の上に、手ぬぐいをかぶった、ひげつらの男と、大きな洗面器をかかえたものと、かたちんばのげたをはいた子どもなど、ひとりとして、まんぞくのふうをしない、人たちが集まっていました。それはちょうど、ルンペンどもが、通行人を待ちぶせしているようにも見えるからです。おじいさんが、おどろくのも、むりはありませんでした。

「なんでもないんだよ。戸のあくのを待っているのだ。」と、勇吉は、説明しました。しかし、おじいさんには、どうしても、のみこめませんでした。