Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きりぎりす

きりぎりす

太宰 治

Lesen Sie きりぎりす von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.186 Zeichen · 74 Bildschirme

Aozora Bunko

叫ぶようにして、やっと言い出した言葉は、自分ながら、ぶざまな唐突なもので、けれども一こと言いだしたら、まるで狐につかれたようにとめどもなく、おしゃべりがはじまって、なんだか狂っていたようにも思われます。

――私を牢へいれては、いけません。私は悪くないのです。私は二十四になります。二十四年間、私は親孝行いたしました。父と母に、大事に大事に仕えて来ました。私は、何が悪いのです。私は、ひとさまから、うしろ指ひとつさされたことがございません。水野さんは、立派なかたです。いまに、きっと、お偉くなるおかたなのです。それは、私に、わかって居ります。私は、あのおかたに恥をかかせたくなかったのです。お友達と海へ行く約束があったのです。人並の仕度をさせて、海へやろうと思ったんだ、それがなぜ悪いことなのです。私は、ばかです。ばかなんだけれど、それでも、私は立派に水野さんを仕立てごらんにいれます。あのおかたは、上品な生れの人なのです。他の人とは、ちがうのです。私は、どうなってもいいんだ、あのひとさえ、立派に世の中へ出られたら、それでもう、私はいいんだ、私には仕事があるのです。