Japanische Klassiker mit Furigana
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『このこころのほこり』
『この心の誇り』
宮本 百合子
Lesen Sie 『この心の誇り』 (『このこころのほこり』) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.535 Zeichen · 17 Bildschirme
その恐怖からのがれる道は、スーにとって燃えるその手で何かすることよりしかない。再び粘土がとりあげられた。彼女が何を創ろうと、もう愛する者の心を傷つけることはないであろう。スーは、孤独の代償として自由を甘受して、その群像を完成させた。マークは生前、この群像の女が、手に子供を抱きながら、その目ではどこか遠くを見ている、それを指して、君そっくりじゃないか、と非難めいた苦しい顔をしたのであった。
群像を仕上げたスーは、ついに息子のジョン、娘のマーシャ、忠実な召使いのジェーンをつれてパリへ赴いた。一年分の金がある。その一年に、次の一年分を働き出さなければならない。スーザンは或るフランス人の仕事場に通って種々の専門技術を身につけた。けれども、職人と芸術家とをよりわける、彼女の魂の満足はフランス人の形式のうちにはなくて、スーのリアリスティックな直観のうちにあった。
どうして君は女に生れて来たんだ。その老匠は眉をひそめて口髭を一ひねりした。どうして君は女に生れて来たんだ。スーザンはこの言葉を、パリに来て初めてきいたのではなかった。何年か前、初めて彫刻の教師となったバーンスが、その仕事場で彼の肖像をこね出したスーザンの手元を見て、何と云ったろう。