Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こんにゃくうり

こんにゃく売り

徳永 直

Lesen Sie こんにゃく売り (こんにゃくうり) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.408 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、そのとき奥さんや女中さんのうしろで、並んでみていた子供のうちから誰れかが出てきて、

「オイ、徳永くん」

と耳許で云った。おどろいて私が顔をあげると、それが同級生の林茂だった。彼は黙って私の桶や天秤棒をなおしてくれ、それからくるりと奥さんの方へむきなおると、

「小母さん、すみません」

と云ってお辞儀した。林は口数の少ない子だから、それだけしか言わなかったが、それはあきらかに、私のために詫びてくれてるのだということが、誰にもわかった。

それで、こんどはいくらかおどろいたような奥さんの声が訊いた。

「おや、この子、茂さんのお友達?」

私は林が何と答えてくれるだろうと思った。また犬の頭をなでている女中さんも、うしろにたってみている子供たちも、一緒に林の顔を見ていた。

「ええ」

すると林は、それだけだが、非常にはっきりと、顔をあげて言ったのだった。私はその瞬間、一ぺんに身体があつくなってきて、グーン、グーン、と空へのぼってゆく気がした。

二

林は五年生のとき、私たちの学校へ入ってきた子だった。ハワイで生れてハワイの小学校にあがっていたが、日本に帰って勉強するために、お祖母さんと、妹と三人で、私が犬に吠えられて茄子を折った邸の、すぐ隣りの大きな家に住んでいた。