Japanische Klassiker mit Furigana
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しらかばのき
しらかばの木
小川 未明
Lesen Sie しらかばの木 (しらかばのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.878 Zeichen · 6 Bildschirme
「日本の荒鷲だ。」と、さけんだものがあります。空を黒くおおうように、爆撃機が頭の上をすれすれに飛ぶかとみると、敵のトーチカを目がけて、爆弾を落としました。たちまち黒けむりの中から火ばしらが上がり、万山は鳴動しました。これより早く、秀作さんの部隊は、敵陣地目がけて突進していたのです。
その日のことを思い出すと、秀作さんは、いのちのあったこともふしぎだが、おかあさんのすがたを見たこと、ことごとくゆめのような気がするのでした。
「おかあさんについて、山へいったとき、自分はまだ八つか九つであった。その下で休んだ峠のしらかばの木は、まだあるだろうか。」
帰還してから、秀作さんは、毎日のようにそのことを思ったのでした。とうとうたまらなくなって、自分の生まれた村へ帰る道にあったのです。たとえ村へ帰っても、自分をむかえてくれる家があるのでなし、また自分を知っていてくれるものもなかろうと思うと、秀作さんは、たよりないような、さびしい気がしました。しかし、そんなことはどうだっていい。自分が子供のじぶん、おかあさんといっしょにその下で休んだ、しらかばの木の立っている峠へさえいけばいいのだ。