Japanische Klassiker mit Furigana
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それから
それから
Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme
と云った。
「ええ、まあ暇です」と代助は答えた。
「じゃ、一所に歌舞伎座へ行って頂戴」
代助は嫂のこの言葉を聞いて、頭の中に、忽ち一種の滑稽を感じた。けれども今日は平常の様に、嫂に調戯う勇気がなかった。面倒だから、平気な顔をして、
「ええ宜しい、行きましょう」と機嫌よく答えた。すると梅子は、
「だって、貴方は、最早、一遍観たって云うんじゃありませんか」と聞き返した。
「一遍だろうが、二遍だろうが、些とも構わない。行きましょう」と代助は梅子を見て微笑した。
「貴方も余っ程道楽ものね」と梅子が評した。代助は益滑稽を感じた。
兄は用があると云って、すぐ出て行った。四時頃用が済んだら芝居の方へ回る約束なんだそうである。それまで自分と縫子だけで見ていたら好さそうなものだが、梅子はそれが厭だと云った。そんなら直木を連れて行けと兄から注意された時、直木は紺絣を着て、袴を穿いて、むずかしく坐っていて不可ないと答えた。それで仕方がないから代助を迎いに遣ったのだ、と、これは兄が出掛の説明であった。代助は少々理窟に合わないと思ったが、ただ、そうですかと答えた。そうして、嫂は幕の合間に話し相手が欲いのと、それからいざと云う時に、色々用を云い付けたいものだから、わざわざ自分を呼び寄せたに違ないと解釈した。