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Japanische Klassiker mit Furigana

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それから

それから

夏目 漱石

Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええ、実は今朝六時頃から出ようと思ってね」と代助は嘘の様な事を、至極冷静に答えた。兄も真面目な顔をして、

「六時に立てる位な早起の男なら、今時分わざわざ青山から遣って来やしない」と云った。改めて用事を聞いてみると、やはり予想の通り肉薄の遂行に過ぎなかった。即ち今日高木と佐川の娘を呼んで午餐を振舞う筈だから、代助にも列席しろと云う父の命令であった。兄の語る所によると、昨夕誠太郎の返事を聞いて、父は大いに機嫌を悪くした。梅子は気を揉んで、代助の立たない前に逢って、旅行を延ばさせると云い出した。兄はそれを留めたそうである。

「なに彼奴が今夜中に立つものか、今頃は革鞄の前へ坐って考え込んでいる位のものだ。明日になってみろ、放って置いても遣って来るからって、己が姉さんを安心させたのだよ」と誠吾は落付払っていた。代助は少し忌々しくなったので、

「じゃ、放って置いて御覧なされば好いのに」と云った。

「ところが女と云うものは、気の短かいもので、御父さんに悪いからって、今朝起きるや否や、己をせびるんだからね」と誠吾は可笑い様な顔もしなかった。寧ろ迷惑そうに代助を眺めていた。