Japanische Klassiker mit Furigana
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
婦人病のうえに腎臓でも病んでいるかと思えるような蒼白な顔が冬瓜のように腫れぼったくむくんだ四十女である。主よりお聞きのとおりまことに申わけのない次第と手をついて詫びるのをいいかげんにやめさせようと、それでこの家の因縁というのはと問おうとすると、その話はここでは口外するのも怖ろしいから、新らしい家へ越してからゆるゆる申し上げることにいたしましょう。たとい一晩でもここにおいでになる間にお聞きなすってはお気持がよくございますまいからというのであった。
翌日我々はこの高台の三層楼を逃げ出した。口の利けない子供を持ったびっこの女だけはいずれは空いている部屋があったのだから一人でも人数の多い方が賑やかでいいと罪ほろぼしに金を取らずに置いていたのだけれど、今度はもうそれも出来ないというのでこの母子の世話は断り、病人の東の代りは石垣が誰か別につれて来た。主婦の顔色は急には直らなかったけれども女中を置いて気楽そうに養生していた。家賃を払わない家に五人の下宿人を置いて自分の荷物の二室も二十円やそこらは払っていたのだから、今度の家の敷金の外に多少の貯金も出来た道理であろう。