Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
あじさい
――あの人があんなふうにして不意に死んだのでなかったら、仮にまあ長い患のあとででもなくなったのであったら、きっと、あなたと私とのことを、たとえばいいとか決していけないとか、何かしらともかくもはっきりと言い置いたろう……わたしはどうもそんな気がするのです。でも、あなたがあれから七年も経つのにどうして今日までひとりでいらっしゃるか、またわたしがどうして時々お説教を聴きに出かけたりするような気持になったか、そのわけをあの人は、口に出しては言わなかったけれどちゃんと知ってはいたのですものね。それならばこそ、私を一そうやさしくもしたのでしょう。そのことを思うとわたしは、それだけにまたどうしていいか心が迷うの。そうしてわたしとあなたとがこんな話をしていることも、またこんなことを思って見ることも気が引けてならないのですわ……
そう、今のさっき目に涙を溜めながら女の言った言葉を、男は、自分の心のなかで繰返して見た。そうして、女がどういうわけでそんなことを言うかという心持が男にもわかるように思えた。それにつけてもあの時から言おうか言うまいかと思いまどうている事を、今も、女に打開けようかどうかと考えたりする。