Japanische Klassiker mit Furigana
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
緑衣の少女
益都の生れの小宋という別名を持った于生という若者があった。彼は醴泉寺の僧房に学生として住んでいた。或る夜のこと、ちょうど彼が読書に耽っている時であった。突然、窓のそとに若い女性の声が聞えた。それは彼を讃める言葉であった「于さん、大そう御勉強でいらっしゃること。」彼はおどろいて跳び上った。そうしてその方を見た。それは、緑の衣を着て長い上衣を身にまとった比べるものないほど優しいたおやかな少女であった。彼は一目に、その少女が人間の類ではないという予感を持つことが出来たから、押してその住所を聞いてみた。しかし少女は答えた「ここに居るじゃございませんか、私が何か人を噛みつきでも食べでもするように見えまして? なぜあなたはそんな事を訊いたり探ったりなさるのでしょうね。」彼は心からこの少女が好きになった。その夜、彼の女は若者の許に泊った。少女の下着は透かして見える絹であった。彼の女がその紐をといた時、彼の女の腰は片一方の掌でまわるほどに細かった。しかし、夜が明けた時、彼の女は寝床から身を飜すと、そのままどこかへ消え去ってしまった。
それから後は、若者の許に少女の訪れない夜はなかった。