Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
それは耳に媚び、心臓をゆすぶった。歌い終った時に、少女は扉を開けて外を見ながら言った「胸がどきどきする。誰かそとに、窓の前に人が居るようです……」彼の女は自分のまわりと、家のまわりとを見まわしてから再び室に這入って来た。若者は言った。「何を考えているのだ。何が恐しいのだ? お化けは人にかくれ人を恐れるという諺があるよ。」少女は笑いながら答えた。「それじゃ私もそのお化けでしょうよ。」
彼等がそれから臥床に這入った時、少女は大へん歎き乍ら訴えた「生きて居るという幸福はもう多分終りに近づいたのでしょう。誰も知る筈もない事ですが……。」彼はどうしてだと訊いてみたが、彼の女はただ答えた「私の胸がどきどきする。私の胸が動悸を打つときは私は死ななければならないのです。」彼は少女を色々と慰めて、心臓が波打つのや眼がひきつるのは何にもそう大したことではないと言った。そうしてもう一度訊ねた「なぜお前はそんな事を考えるのだ?」それで少女は又再びうれしげな笑を洩した。そうして二人は共にその夜を明かして互に互を愛し合った。
次の朝、水時計が滴り尽きた時、少女は立上って衣をつけると、扉を開けようとした。