Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あじさい

たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集

佐藤 春夫

Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

何をアルバイトしていたかは知らないが(話の様子では学友の家の会社のセールスマンか何かであったらしい)ほとんど毎日、夜ふけにならなければ帰らない。帰る時にはいつも酔っぱらっている。ダンス場にも出入すると見えて、学校のガールフレンドとか称するのが訪ねて来たのを見たら、どうもダンサアか何かのような様子であった。(尤もこの時代の若い女子は誰も彼もみな一様にダンサアと区別のつかない風俗をしている)そのうちに友だちと金を出し合って月賦で買ったというピアノの置き場を家にきめたとピアノを一台持ち込んで来た。どうせ用もなくなった応接間の片隅だから何を持ち込もうと差支えはなかったが、その後は家に居る間中、夜ふけでも何でも三郎はピアノばかりをたたきつづけていた。近所は野原から焼野原につづき夜ふけでも別に隣家の抗議も出なかったが、問題は隣家よりも内部で、軍隊ではラッパの外に軍楽隊など何の必要があるかと云っていた老将軍にとって息子が勉学の時間を割いたピアノの騒々しさはがまんのならないものであった。

ピアノだけではなく息子のこのごろの生活は頭から尻尾までことごとくにがにがしい様子に、夫人は母親の身として、子をかばい夫の心をやわらげようと、あれがこのごろ世間一般の青年の気風で何もうちの三郎ばかりというわけではないのだからと云うと、閣下