Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
お君を呼んできいてみると、戦中、猛威をふるったナチ・マニアの〈ジャガイモ一家〉のママ薯と娘薯がおそろいできているというので、うんざりして部屋へひきかえした。
ママ薯のほうは、武術講演をしたり薙刀をふりまわしたりする大名華族の珍品というところでさしたる悪影響はなかったが、娘薯のほうは、他人が幸福だったり、自分より美しかったりすると、なんとかして不幸にしてしまわないと気がすまないといううるさい陰謀家で、四代目クラブ以下、鎌倉組の英仏派はひとりのこらず有形無形の被害をうけた。
そもそもあたしに〈だいこん〉なんて名をつけたのは〈ジャガイモ〉なので、これには忘れられない思い出がある。
戴冠式の見物にロンドンへ行くことになって、団体謁見にでるパパとママは先に発ち、あたしは満寿子さんや珠子さんといっしょにブゥルジェから飛行機で行った。
どす黒い雲がたぐまり、いまにも雨になりそうな朝で、黴の生えた不景気なロンドン塔が霧の中からぼんやり浮びだしている牧野さんのテームス河の絵を思いだすと、こんな日にロンドンへでかけて行くのは、ありがたすぎてくしゃみがでそうだった。
待合室のガラス壁ごしに滑走路を見ると、横っ腹に L'A mazone Ja-163 と書きつけた、鯰のような頭でっかちの旅客機が、中腰になってへいつくばっている