Japanische Klassiker mit Furigana
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だだらだんべえ
だだら団兵衛
山本 周五郎
Lesen Sie だだら団兵衛 (だだらだんべえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.271 Zeichen · 25 Bildschirme
翌日、城へ上ってようすを訊くと――。
節句の当夜。
家老の一人、梁川主馬の上出石の別荘に、上巳の祝で酒宴が張られ、十二三人の客が集まった。
その酒宴なかばに、主人主馬と南部八郎太の間に諍いが起ったが、止める人があって何事もなく過ぎ、やがて酒宴も終って四つ上刻、人々は梁川邸を辞した。
客が帰り去って半刻も過ぎた頃、家士の一人が何心なく主人の居間へ行くと、あたり一面乱雑に取散らされてあり、主馬は血まみれとなって倒れていた。仰天して、
「御前! 御前!」
と抱起すと、主馬は痙攣るように、
「は……八郎太!」
と云った、家士が耳に口を寄せて、敵は? と訊くと、もう一度、
「八郎太に……」
とまで云って、がっくり落入ってしまった。急いで庭前へ走り出て見たが、もはやあたりにはそれらしい影もない。直ちにお届けに及ぶ。本邸から人が駈けつけて来て調べてみると、主馬が珍重していた菊一文字のひと腰が紛失していた。
「たしかに二度まで八郎太と申しました」
家士の者が繰返して云ったが、まさか南部がと云って誰も信じなかった。しかし当夜口論した事実もあるから一応は訊すべきだろう、というので使をやると、南部の邸は空だ。