Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lesen Sie ちくしょう谷 (ちくしょうだに) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.788 Zeichen · 138 Bildschirme
みんな稽古用の安価な品ではあるが、その荷を解いてひろげたとき、番士たちは不審そうに集まって来た。
「どうなさるんですか」乾藤吉郎といういちばん若い番士がたのしそうに訊いた、「みんなで稽古をして合奏でもするんでしょうか、私はちょっとなら三味線が弾けますけれど」
「それはいい」と隼人が云った、「そのうち弾いてもらうとしよう」
「いつでもどうぞ」手を擦り合さないばかりの調子で、乾は熱心に云った、「自分ではそれほどうまいとは思いませんけれど、新町では筋がいいって評判だったんです」
「ばかだな、こいつ」と松木久之助が低い声で云った、「新町がよいが祟って山へ来たんだろう、懲りないやつだよ、おまえは」
「みんなに頼みがある」と隼人が云った、「じつは村の者たちにこれを教えたいんだ、私はなにもできない、笛をちょっと習っただけで、それも歌口を湿す程度なんだ、乾は三味線を弾くそうだし、ほかになにかやれる者があったら助けてもらいたいが、どうだろう」
「私が琴をちょっとやりました」と西沢半四郎が云った。
隼人は西沢を見た。西沢を見るときの、あのいつもの眼つきで、それから静かにその眼をそらせながら云った、「琴はきまった、――ほかに誰かいないか」