Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lesen Sie ちくしょう谷 (ちくしょうだに) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.788 Zeichen · 138 Bildschirme
――尤も御用林の仕事があり、昼の労働で疲れることも、女たちにとって一つのはけ口になっているであろう。御用林のほうが終ったら、なにかまた考えなければなるまい、と老人が云い、隼人もそのとおりだと思った。
女たちのこういう騒ぎが、木戸の者に刺戟を与えたことは云うまでもない。木戸の中でも御用林でも、急に乱暴なことをするとか、激しい口論や喧嘩がしばしば起こった。いちどは小野大九郎と乾藤吉郎が決闘しようと云いだし、岡村七郎兵衛が立会い人に頼まれた。岡村は困って隼人のところへ告げに来、隼人がいって「決闘は許さぬ」と叱った。二人は承知しなかった。立会い人のある決闘は昔から許されている。番頭にそれを禁ずる権限はない、と主張した。
「おれにはその権限がある」と隼人は云った、「城下なら知らぬこと、木戸ではおれの支配に従わなければならない、いったい喧嘩の原因はなんだ」
二人は答えなかった。
「云えないのか」と隼人が追求した、「云えないようなことで命の遣り取りをしようというのか」
乾藤吉郎の顔が赤くなった。大九郎が私のことを、と乾は俯いたまま云った。三味線や太鼓はうまいかもしれないが、剣術はなっていないと云った、というのである。