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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんきんしょう

ちくま日本文学014 谷崎潤一郎

谷崎 潤一郎

Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme

Aozora Bunko

声に驚き眼覚めて次の間より馳せ付け、急ぎ燈火を点じて見れば、何者か雨戸を抉じ開け春琴が伏戸に忍入りしに、早くも佐助が起き出でたるけはいを察し、一物をも得ずして逃げ失せぬと覚しく、すでに四辺に人影もなかりき。この時賊は周章の余り、有り合わせたる鉄瓶を春琴の頭上に投げ付けて去りしかば、雪を欺く豊頬に熱湯の余沫飛び散りて口惜しくも一点火傷の痕を留めぬ。素より白璧の微瑕に過ぎずして昔ながらの花顔玉容は依然として変らざりしかども、それより以後春琴は我が面上の些細なる傷を恥ずること甚しく、常に縮緬の頭巾をもって顔を覆い、終日一室に籠居してかつて人前に出でざりしかば、親しき親族門弟といえどもその相貌を窺い知り難く、為めに種々なる風聞臆説を生むに至りぬ」と云うのが春琴伝の記載である。伝は続けて曰く「けだし負傷は軽微にして天稟の美貌をほとんど損ずることなかりき。その人に面接するを厭いたるは彼女が潔癖の致すところにして、取るにも足らぬ傷痕を恥辱のごとく考えしは盲人の思い過しとや云わん」と。更にまた曰く「しかるにいかなる因縁にや、それより数十日を経て佐助もまた白内障を煩い、たちまち両眼暗黒となりぬ。