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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゃん

ちゃん

山本 周五郎

Lesen Sie ちゃん von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.377 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

「いけねえ」良吉はあわてた、「ああいけねえ」と云い、手に唾をつけて父親の背中をなでた、「赤くなっちゃった、痛えか、ちゃん」

「いいよ、温たまろう」

二人は湯槽へつかった。

「かあちゃんにそう云いな」と暗い湯槽の中で重吉がそっと云った、「心配するなって、飲みに寄るだけだし、勘定が少し溜まってるだけだって、いいな」

「ああ」と良吉が云った、「――その人、いまでも苦労してるのかい」

「だろうな」と重吉が答えた、「義理のおやじってのは死んだが、おふくろが寝たっきりで、誰か世話になってる人があるようだ、詳しいことは話さねえが、やっぱり苦労は絶えねえらしい」

良吉は黙っていて、それから、さぐるような口ぶりで云った、「――そのお蝶さんって人はね、ちゃんのおかみさんになるつもりだったって、ほんとかい」

「つまらねえことを云うな」

「だって、かあちゃんがそ云ってたぜ、お蝶さんって人が自分で、かあちゃんにそう云ったことがあるって」

「よせ、つまらねえ」と重吉がさえぎった、「よしんばお蝶がそう云ったにしろ、おれの知ったことじゃあねえ、つまらねえことを気にするなって、かあちゃんに云ってくれ、――こっちはそれどころじゃあねえんだから」