Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つばくろ
つばくろ
山本 周五郎
Lesen Sie つばくろ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.987 Zeichen · 44 Bildschirme
周囲には古い椎の木や樫や楢などが、柵のように幹を接し枝をさし交わし、その向うに荒れた草原がひろがっていた。……そこは武家屋敷の西の外郭に当る。道幅も六間ほどあって、ぐるっと的場跡を半周することができた。
月の冴えた晩であった。片側の樹立の枝葉が、道の半ばまで鮮やかに影をおとしていた。あまり月が明るいので、高雄は提燈を消そうと思って立停った。そのときうしろに尋常でないもののけはいを感じ、反射的に振り返るなり、あっと云って、持っていた提燈を投げながら、彼は横へ跳んだ。
うしろからはだしで跟けて来たらしい、覆面をした男の躯と、頭上へ襲いかかる刀の閃光とが、振り返る高雄の眼いっぱいにかぶさったのである。
「なにをする、待て」
横っ跳びに道の一方へ避け、自分の顔を月のほうへ向けて彼は叫んだ。
「人ちがいするな、紀平高雄だ」
男は樹立の陰にいた。その二間ばかり左で、抛りだされた提燈が燃えている。相手は誰とも見当はつかないが、覆面しているのと、はだしになった足袋の白さとが、烈しい殺気を表白するようにみえた。
「人ちがいではないのだな」
「――――」
「名を云え、誰だ」
高雄は危険を感じて刀を抜いた。