Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
「あなたはまだ、川口が殴り殺されたのだと思っていられますね」
「な、なんですって?……立派な証拠が」
「勿論、その証拠に狂いはないでしょう。川口の致命傷は、確かにあの絵具箱の隅でつけられたものに違いありますまい。けれども川口は、あの絵具箱で殴り殺されたのではないのですよ」
「と云うと?」
「独りで転んだ時に、絵具箱の隅に触れたんです」
「飛んでもない? 川口は立派な遺言を残して……」
「ありゃあそんな遺言じゃ有りません。もっと外に意味があります」
「と云うと?」
「それが非常に妙なことで、とにかくあの事件の起きた日の日没時に、この東室の窓に、実に意外な奴が現れたんです。そいつは、私達にとっても、確かに一驚に値する奴なんだが。特に川口にとってはいけなかったんです。で、吃驚した川口は、思わずよろよろと立上った途端に、左手に持ったままの調色板の油壺から零れ落ちた油を、うっかり踏み滑って、後にあった絵具箱へ、後頭部をいやと云う程打ちつけたのです。これが、川口亜太郎の、疑うべきもない直接の死因です」
「一寸待って下さい。……あなたは先刻から、何か盛に話していられるようだが、私にはさっぱり判りません。