Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
せめて道端に胸壁でもあって、それが壊れていれば墜落個所の見当はつくのだが、この道は人の通らない自動車専用の道路だから、そのような胸壁や駒止めも、白塗のスマートな奴が処々装飾的に組まれてあるだけで、とんと頼りにならない。
無意味な、憂鬱な捜査が暫く続いて、やがて自動車は、胸壁のない猛烈なS字型のカーブに差しかかった。警部補は苛立たしげに舌打ちする。自動車はクルリとカーブを折れて、いままでの進路と逆行するように、十国峠の方を向いて走りだした。
S字カーブの尻は、大きな角張ったC字カーブになっている。Lの字を逆立ちさせたような矢標のついた道路標識を越して、二十米突も走った時だった。なにを見たのか大月氏は不意にギクッとなって慌しく腰を浮かしながら、
「止めて下さい!」
――巡査は直ぐにブレーキを入れた。
大月氏は扉を開けてステップの上へ立ち上ったまま中の巡査へ云った。
「この向きで、このままバックして下さい……そう、そう……もっと、もっと……よろしい、ストップ!」
人々には、サッパリわけが判らない。
大月氏は助手席へ就くと、以前の姿勢に戻って云った。ひどく緊張した顫え声だ。