Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どぶろくげんそう

どぶろく幻想

豊島 与志雄

Lesen Sie どぶろく幻想 (どぶろくげんそう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.452 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、連れ立って歩いてきて、それから、後のことは、ぼーっとしていた。はぐれた、というより、彼女は消えてしまった感じだ。説明のしようがなかった。

周さんは俺の腕を離して、こんどは、同国人の腕を捉え、俺の知らない言葉でしきりと饒舌り、そしてふいに、卓上に顔を伏せて泣きだした。その肩を相手は軽く叩きながら、低い声でなにか言った。

やがて、周さんは涙の顔を挙げた。

「千代乃はあんたに好意を持っておりました。その話、ほんとうに違いありません。わたしも、あれから、千代乃に逢ったことあります。」

しんみりした空気になって、俺は事の次第を尋ねかねた。ただ酒を飲むより外はなかった。

掛時計が十一時を打つと、周さんの同国人は立ち上り、周さんと短い言葉を交わして、帰っていった。

「さあ、あらためて飲みましょう。今晩はつきあって下さいよ。それより、先ず、話を聞いて下さい。」

周さんはいろいろな料理を持ち出した。ありったけの御馳走と言ってもよかった。俺はもう食べられなかった。その代り、濁酒をたくさん飲んだ。周さんはよく食いよく飲んだ。酔っ払って、二人とも、話はしどろもどろだったが……。