Japanische Klassiker mit Furigana
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どらねこかんさつき
どら猫観察記
柳田 国男
Lesen Sie どら猫観察記 (どらねこかんさつき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.670 Zeichen · 12 Bildschirme
しかも其原因が許多の海山を隔てて、世界到る処のこの種族のすべての者に、共通であるということは考えさせられる。
東京に帰って見ると自分の家などにも、やはり依然として昔ながらの野ら猫の一家庭が、自分の家庭と併存して続いて居た。白勝ちの赤毛の斑で、顔の至って平めなのが特徴であったが、今以てぶちの在り処まで略々同じ猫が、次から次へと代を重ねて居る。宅の大きい娘が生まれるよりも更に以前から、多分はこの邸内より外へ移住したことが無かろう。始めてこの縁の下に来て住むようになった初代の牝猫にも、幽かな見覚えがある。何かの心得違いで元の飼主から、分れて来た者に相違なかった。それが年増しに気が荒くなって、横着な面をして見向きもせずに、庭前を過ぎ去るようになった。其癖我々が見て居る限り、寸分も油断をして居るのでは無かった。そうして食物の安全なる求め方に付いては、飼猫に数倍する技術をもって居る。
春になるとこの牝猫が、うかれ出て大いに鳴いた。それから暫くすると何処とも知れず、予猫の小さな鳴き声が聴え、人を避ける母猫の目が一段と険悪に見えた。二匹三匹の愛くるしい小猫が、そちこちに姿を見せる間が何箇月かあった。