Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どらねこかんさつき

どら猫観察記

柳田 国男

Lesen Sie どら猫観察記 (どらねこかんさつき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.670 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

五

五

我々の中には又三毛猫の雄猫という問題がある。単に稀有なる故に珍重するという以外、いつの世から言い始めたことだろうか、海上風波の場合に之を龍神に捧げると難破の厄を免かるべしと称して、高金を払っても船頭が之を求めた。猫を犠牲に供した昔話の例は、他民族にも折々聞くことであるが、それがもし最初山奥から、此動物を連れて来た動機であったら、化けるも不思議に非ず、背くも亦自然である。つまりは人間と猫との取引はもう結了して、今は只古来の行懸りだけが、若干の未解決を残存せしめて居るのである。

尻尾の無い猫ということは、是も日本の文化史に於て、相応に重要なる一史蹟であるかと思う。それが猿などの如く天然にそうあるのか、はた又当節のハクニーや或る類の狗の如く、人の趣味から所謂改良をしたものか、動物学者の説を確めねばならぬが、自分などは先ず後の方だと思う。人為の性質でも代を重ねるうちに、固定し遺伝する旁例は人類が最も多く持って居る。耳たぶに穴のある人は我々の中にも多い。日本人が耳環を中止してから、少なくとも千年は経て居るのに其痕跡だけは伝わったのである。外国人の珍しがる話としては、日本の猫には尾が無いということだ。