Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばちあたり

ばちあたり

山本 周五郎

Lesen Sie ばちあたり von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.391 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

私はまいった。母があのノートを読んだということは想像もしなかった。敏夫が読み、そのために性格がぐらついたものと考えていた。私はしんそこまいった。かあさん、と私は心の中で繰り返し呼びかけた。あのとき、神聖なものを冒涜したというように感じた、その感じが、いまはもっと現実的な量感で私を押し包み、全身を搾めあげるように思われた。

――自分は母を実験動物のように考えたことはない、そんな考えは微塵もなかった。

家へ帰るまで、私は救いを求めるように、そう主張し続けていた。

注文の料理が届き、姉が酒の支度をした。敏夫は陽気になり、なにかうれしいことでもあるように、活発にしゃべったり笑ったりし始めた。膳には甘煮や焼き物のほかに、この地方のこの季節だけにある鱈の料理。作り身や、肝臓を入れた味噌椀があり、私にはなによりの好物だったが、たのしんで味わうような気持のゆとりはまったくなかった。

「ぼくがかあさんに苦労のさせどおしだったって、さっき姉上は仰せられましたね」敏夫は明るく微笑しながら云った、「――仰せのとおりです、ぼくはなっちゃない野郎です、ぼくはあんたたちの余りっかすで出来たらしい、姉上や健さんや啓さんに、いいところはみんないっちゃって、残りのかすでやっとこさぼくが生れたんでしょう、することなすこととんまで、まぬけで、