Japanische Klassiker mit Furigana
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ばちあたり
ばちあたり
山本 周五郎
Lesen Sie ばちあたり von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.391 Zeichen · 44 Bildschirme
激しくむせたので、私は水を飲ませるのを待った。そのとき、空転していたテープ・レコーダーから、母の声が聞えはじめた。
――悪く思わないでおくれ、敏夫。
と母のやさしい声が云った。
――おまえの留守にこれを吹き込んでおくんだけれど、いつかおまえが聞いてくれるだろうと思う、かあさんはいつもおまえに小言ばっかり云ってきた、ばちあたりなんて云ったこともあるね、でもあれは本心から云ったことじゃない、あたしはおまえが可愛かった、四人きょうだいの中で、おまえだけがいちばん可愛かった、こんなことは姉さんや兄さんたちに聞かせられないけれど、本当にあたしはおまえが可愛んだよ。
姉が急に手帛で眼を掩い、くくと嗚咽し始めた。母の声はなお続いた。
――なにをやってもものにならない、そのたびに小言を云ったけれど、本当はかあさんは心の中で頭を下げている、あやまっているんだよ、おまえをそんなふうに産んだのはかあさんだからね、おまえの罪じゃない、おまえをそんなふうに産んだかあさんが悪いんだから。
そこで少し空転があって、また続いた。
――おまえはいい子だよ、本当に可愛い、いい子だよ、一と言で云えば、かあさんはおまえの死ぬまで生きていたいと思う、しっかりするんだよ敏夫、世の中には金持になる人もあり、有名になる人もある、でも人間はそれだけじゃ