Japanische Klassiker mit Furigana
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ひととき
ひととき
宮本 百合子
Lesen Sie ひととき von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.370 Zeichen · 7 Bildschirme
小さい私の部屋の隅から隅までより倍もながかった。
じいっと、柱にもたれて、次第次第に黒ずんで来る森を見て居ると、その中の文句がきれぎれに思い出される。
いつもいつもゆうぐれにさえなりますれば、私の心に夕ばえのくもの様にさまざまないろとすがたのおもい出がわきますなかの一つが、とうとうこうやってふでをとらせたのでございます。
思いがけないあの長い長い私の手紙をうけとって、彼の人はどんなに妙に思った事だろう。
私は、床の上に起きあがって封書を持ったまましばらくは私からと云う事をうたがって、やがて私の癖の多いのたくった様な字を見きわめてから一方のはじをきるに違いない。
何事でも用心深くやって行くあの人の気だてが出て来るのであろう。
あの時、この後も御たよりをさしあげるのを御許し下さいと云いながら何となしせわしさにとりまぎれて一度もあげなかったけれどもどうだろう。
私の筆不性から、又あの人の気まぐれだろうと思われてしまう事は辛い事である。
彼の人が斯う云う病気になった時は、私が丁度遺伝と云う事に何となし心を引かれて居た時だったので非常に悲痛な適例を見せられた気がした。