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Japanische Klassiker mit Furigana

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みさごのすし

みさごの鮨

泉 鏡花

Lesen Sie みさごの鮨 (みさごのすし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.198 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

……嬉しゅうございますわ。――旦那さん。」

「…………」

「あの、それですけれど……安心をしましたせいですか、落胆して、力が抜けて。何ですか、余り身体にたわいがなくって、心細くなりました。おそばへ寄せて下さいまし……こんな時でございませんと、思い切って、お顔が見られないのでございますけど、それでも、やっぱり、暗くて見えはしませんわ。」

と、膝に密と手を置いて、振仰いだらしい顔がほの白い。艶濃き髪の薫より、眉がほんのりと香いそうに、近々とありながら、上段の間は、いまほとんど真暗である。

六

実は、さきに小春を連れて、この旅館へ帰った頃に、廊下を歩行き馴れたこの女が、手を取ったほど早や暗くて、座敷も辛じて黒白の分るくらいであった。金屏風とむきあった、客の脱すてを掛けた衣桁の下に、何をしていたか、つぐんでいて、道陸神のような影を、ふらふらと動かして、ぬいと出たものがあった。あれと言った小春と、ぎょっとした教授に「北国一。」と浴せ掛けて、またたく間に廊下をすっ飛んで行ったのは、あのお光であったが。

直に小春が、客の意を得て、例の卓上電話で、二人の膳を帳場に通すと、今度註文をうけに出たのは、以前の、歯を染めた寂しい婦で、しょんぼりと起居をするのが、何だか、産女鳥のように見えたほど、――時間はさまでにもなかっ