Japanische Klassiker mit Furigana
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めくらぞうし
めくら草紙
Lesen Sie めくら草紙 (めくらぞうし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.695 Zeichen · 14 Bildschirme
」
「お母さまが、私に、保険をつけて下さっているの。私が三十二になれば、お金が何百円だか、たくさん取れるのよ。」
また、ある夜、私は、気の弱い女は父無児を生むという言葉をふと思い出し、あんなに見えても、マツ子は、ひょっとしたら弱いのじゃないのかしらと気がかりになって、これは、ひとつ、マツ子に聞いてみようと思った。
「マツ子。おまえは、おまえのからだを大事と思っているか。」
マツ子は家人の手伝いをして、隣りの六畳の部屋でほどきものをしていたのだが、しばらく、水を打ったように、ひっそりなった。やがて、
「ええ。」
と答えた。
「そうか、よし。」私は寝返りを打って、また眼をつぶった。安心したのである。
このあいだ、私は、マツ子のいるまえで、煮えたぎっている鉄びんを家人のほうにむけて投げつけた。家人は、私のびんぼうな一友人にこっそりお金を送ろうとして手紙を書いているのを、私は見つけ、ぶんを越えた仕儀はよせ、と言った。家人は、これは私のへそくりですから、と平気な顔で答えた。私は、かっとなり、「おまえの気のままになってたまるか。」と言い、鉄びんを天井めがけて、力一ぱいに投げつけた。