Japanische Klassiker mit Furigana
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ろまんどうろう
ろまん灯籠
Lesen Sie ろまん灯籠 (ろまんどうろう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.222 Zeichen · 74 Bildschirme
誰も、あたしを可愛がってくれません。あたしには、よくわかります。あたしは、育ちの卑しい馬鹿な女ですから、お婆さんになって汚くなってしまったら、何の取りどころも無くなるのです。また森へ帰って、魔法使いにでもなるより他はありませぬ。」
王子は不機嫌になりました。
「君は、まだ、あのいまわしい森の事を忘れないのか。君のいまの御身分を考えなさい。」
「ごめんなさい。もう綺麗に忘れているつもりだったのに、ゆうべの様な淋しい夜には、ふっと思い出してしまうのです。あたしの婆さんは、こわい魔法使いですが、でも、あたしをずいぶん甘やかして育てて下さいました。誰もあたしを可愛がらないようになっても、森の婆さんだけは、いつでも、きっと、あたしを小さい子供のように抱いて下さるような気がするのです。」
「私が傍にいるじゃないか。」王子は、にがり切って言いました。
「いいえ、あなたは駄目。あなたは、あたしを、ずいぶん可愛がって下さいましたが、ただ、あたしを珍らしがってお笑いになるばかりで、あたしは何だか淋しかったのです。いまに、あたしが子供を産んだら、あなたは今度は子供のほうを珍らしがって、あたしを忘れてしまうでしょう。