Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
その時まで、雲助どもの乱暴を、打腹立って拗ねたる状、この救い人に対してさえ、我ままに甘えて曲るか、捗々しく口も利かずにいたのであった。
肱を曲げたまま、瞳をくるりと、花やかに旅客を見向き、
「どこも何ともないのよ。」
「その手は。」
外套の襟の上に、凜々しい眉を顰めていった。
「いいえ、痛みはしませんの。私、だって、私、突倒されたんですもの、口惜いわ。」
急に唇を屹と結び、笑くぼを刻みながら涙を堪えて、キリリと鳴す皓歯の音。
旅客は洋杖を持った手を拡げて、案外、と瞻ったが、露に濡れたら清めてやろう、と心で支度をする体に、片手を衣兜に、手巾を。
やがて、曇は晴れたのである。
涙の名残は瞳の艶、莞爾と打微笑み、
「二人とも強いんですもの、乱暴ッちゃありゃしない。」
「いや、お前の方が乱暴だ。道理こそ、人殺とも、盗人とも、助けてくれとも泣かないで、争っていたっけが、お前、それじゃ、取組み合う気で懸ったのか。」
「はあ、喧嘩したんです。私、喰いついてやったり、引掻いたり、一生懸命だったんです。でも負けたわ。」
と勇ましくいいかけたが、フトそのお転婆を極りの悪そう、お鶴が面はゆげに見えたのは、案内記には記さぬ不思議。