Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
」
熱心に教えながら、お鶴の姿を左から、右へぐるりと一廻。
その歩行く方へ瞳を動かし、ぱちり音するかと二ツ三ツ瞬いて聞いていた。
「じゃ、あの、見せろッていいましたら、出しても可くって? 貴下。」
「可かろうとも。」
「神様に見せない前に。」
と口早に附け加えた。
「神様に。」
「ええ。」
その顔を上げた時、はらりと顔にこぼれかかる、髪の毛を、指に反らして払い、
「孔雀みたいな、あの、翡翠みたいな、綺麗な鳥が来て、種をこぼして行きました。
小田原の神様が、おとっさんに、拵えろッていったんですって。
ですから、あの、これは神様のものなんでしょう。」
見詰めつついう気構に、逆わず打頷き、
「そうか、神様のものか。むむ、そして、苞の中は茄子だといったが、まったくかい。」
「は、お初穂を上げに行くんです。あの、これが小さな、紫色の苗になりましてから、白髪のおとっさんが、あのね。
死んだおっかさんが着ていました、桃色の切だの、浅葱の切だの、いろいろ継合わしたちゃんちゃんこを着ちゃ、背戸へ出て、十国峠へ日が昇るの、大島へ月が入るの、幾度見たか知れないの、丹精して出来たんですもの。