Japanische Klassiker mit Furigana
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わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme
しかし彼が帰省して女子師範に出るようになってからは、便りもとかく田島の方から不精にしていつかとだえ勝ちになってしまった。その登志子がようやく卒業して帰ってきたのを知らずに、この停車場で偶然に会ったのだ。偶然とはいいながら今彼に会ったことは登志子は何よりもうれしかった。何となく話したら自分の方に同情してくれる人だという気がする。しかし登志子は何もいうことが出来なかった。何かいったらいっぱいにたまった涙が溢れそうだ。安子が見ている。田島は何もしらない。それに田島の生徒は皆、自分等とはずっと飛びはなれた風姿をした女学生らしい登志子や前の方に行くまき子を、目をみはって眺めながらぞろぞろ歩いていく。登志子は何といっていいか分らない。しかしだまっている訳にはいかない。ようやくしぼり出したような苦しい笑を報いながら、
「ええありがとうやっとどうにか――」と小さな声でいって下向いた。
「どうかしたの、真青な顔だ、気分でも悪い?」
「え、少し疲れたからでしょう」
「そう、前のはまき子さんと叔父さんだろう」
「ええ」
階段を降りて入口を出ようとする所で叔父と田島は挨拶を交わした。