Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わがまま
わがまま
伊藤 野枝
Lesen Sie わがまま von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.570 Zeichen · 18 Bildschirme
「うれしかるべき帰省――それがかくも自分に苦しいものとなったのもみんな叔父のためなのだ。叔父がこうしたのだ。見もしらぬこの永田が私のすべての自由を握るのか――私を――私を――誰が許した。誰が許した。私はこの尊い自身をいともかるはずみにあんな見もしらぬ男の前に投げ出したことはない。私は自身をそれほど安価にみくびってはいない私は、私は――」
登志子は押し上げて来る歔欷をのんでじっと突いた洋傘の先のあたりに目を落した。熱い涙がポツリポツリと眼鏡にあたってはプラットホームの三和土の上に落ちた。
「お登志さん、行きましょう」
と忘れたような安子の声を不意に聞いたときにはまき子は父と並んで二三間先を階段の方に歩いていた。
登志子が階段を上ろうとすると、後から急ぎ足に来て声掛けた男がある、さっきの田島だ。
「登志さんでしょう、今着いたの、御卒業でおめでとう」
今ここで思いがけない田島にこうした辞を述べられようとは予期しなかった。田島は去年高師を卒業してここの師範に赴任した。その人がまだ高師にいた間、登志子は兄さん兄さんと彼を何かにつけて頼りにしていた。たまには登志子の所を訪ねてきては後れた英語や数学を教えてくれたりした。