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Japanische Klassiker mit Furigana

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アンドロギュノスのちすじ

アンドロギュノスの裔

渡辺 温

Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

独逸へ行こうと思っていた頃で、そこの酒場に居合せた軍艦エムデン号の乗組員だったと称する変な独逸人に、ハイデルベルヒの大学へ入る第一の資格は、ビールを四打飲めることだと唆かされて、私はピルズナア・ビールを二打飲んだのであった。

『そのエムデンは店の人です、つまりサクラですね。――』

と、アレキサンダー君はハムブルクを斥けた。

『それに、あすこには、こんな別嬪さん一人もいませんです。つまらないですね。』

アレキサンダー君は、さう云いながら、私達の卓子を囲んで集まった、各自国籍の異るらしい四五人の女給の中で、一番器量良しの細い眼をした、金髪の少女の頤を指でつついたものだ。

『マルウシャ! 日本人の小説を書く人に惚れています。――マルウシャ、云いなさい!』

その少女の噂は、私も既に聞いていた。彼女は私に、××氏から貰ったのだと云う手巾を見せたりした。

それから彼女は、アレキサンダー君と組んで踊った。ストーヴの傍にいた家族の者らしい老夫婦が、ヴァイオリンと竪琴とでそれに和した。私はエビス・ビールが我慢出来なかったので、酒台のところに立って火酒を飲んだ。

若い時分には、可なりの美人だったらしい面影を留めている女主人が、酒をつぎ乍ら私の話相手になってくれた。