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Japanische Klassiker mit Furigana

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アンドロギュノスのちすじ

アンドロギュノスの裔

渡辺 温

Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

『あなたがネクタイ代りに結んでいる黒いリボンが死体から発見されたのはどう云うわけでしょうか?』と真向からせめた。

『そんな莫迦な!――』と葛飾は慍った。『あの女が勝手に仕組んだことにきまっているじゃありませんか。美代子は僕にむしゃぶりついた時に偶然――まさか計画的にではないでしょう――僕のネクタイを※(「てへん+毟」、第4水準2-78-12)りとったので、いい加減な出鱈目を思いついたのです。』

『奥さんは、それに、あなたのインヴァネスが破れていたのも自分の知らぬことだと云って居られます。』

『あいつは不良少女上りです。亭主を売る位は平気なのです。』

『しかし、それでは尚更、奥さんが小野氏を殺す理由が考えられんではないですか?』

『僕の愛を取り戻したかったからでしょう。――そして、万一の時には僕に罪をしょわせるのです。』

『ピストルは平常あなたの居間の箪笥に入っていたのだそうですね。』

『併し、その箪笥には鍵をかけてありません。……一体ピストルにのこっていた指紋が美代子のものだと云うのは嘘なのですか?』

刑事は当惑した。葛飾を犯人と断ずべき物的証拠は何一つとしてない。