Japanische Klassiker mit Furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme
……なあにねえ、お嬢さま、あの赤い煙突は初めっから壊れて――煙穴が続いていないので、ただまあ飾り同様のものだったのでございますよ。……どうしてまあ、わざわざあんな莫迦げたものをつけたのでございますか……」
そこで、彼女の心からはどんな悲しみも消え失せた。
(――飾も同様だって!……初めっから壊れていたのだって!……若しも、あの赤い煙突があたしだったとすれば、あたしは初めっから生まれて来る筈じゃなかったのだわ!……)
彼女は老婆が帰って行って一人になると、古い手筥の中から、久しい間大切にして蔵ってあった四折の厚紙に書いてある手紙を取り出して、それを声を出して読んで見た…………
僕の好きな人――僕はあなたが好きです。けれども、それはいけない事なのだそうです。あなたのお父さんもお母さんもそう仰有って僕をお叱りになったし、また僕のお父さんもお母さんもそう云って僕を叱りました。
………………
――あの方はあたしより八つ年が上だったから、これを下すった時は二十五だわ。……まあなんて可愛らしいお坊っちゃんだったのでしょう。二十五にもなってこんな手紙を書いたりして! まるで十八位にしか思えないわ……それに煤だらけになりながら梯子をかけて煙穴のない煙突へ管を通しに上ったりなんかして……可笑しい人ね……そうそう、あたしの肺炎が快く