Japanische Klassiker mit Furigana
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
Lesen Sie アンドロギュノスの裔 (アンドロギュノスのちすじ) von 渡辺 温 (わたなべおん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.168 Zeichen · 267 Bildschirme
『そう云われれば、なる程、西洋の小説で読んだこともあるような気がする。』
『アスファルトの道を散歩する資格なしね。去年の四月馬鹿なんか、随分面白かったわ。あたし、学校を出たばかりで恰度神戸へ遊びに行っていたんだけど、海岸通りの石道を昼間一人で何の気もなしに歩いていたの。そうすると割合に寂しい横丁の出口のところで、日本人のお婆さんが、長さ五尺位の菰でくるんだ大きな荷物を道ばたに立てて、それをウンウン唸りながら担ごうとしているんだけど、迚も重たくって担げそうもないのよ。』
『それで、エンミイが馬鹿正直に担いでやったのかい? ところが中味が矢張り菰ばかりで、軽々と、担がれたってね。ザマあ見ろ! はっはっはっ……』
『黙ってお聞きなさいよ。担いだのも、担がれたのも、あたしじゃないの。折から通りかかった一名の西洋紳士。それを見つけると、吃驚したように立止って、お婆さんの様子を眺め、それから、あたしの方を見て、淑女の面前である手前、どうにも義侠心を出さずにはいられなくなったらしかったわ。直ぐとお婆さんの傍へ寄って、「オモイオモイデスカ。ワタクシ、オブッテサシアゲマス」