Japanische Klassiker mit Furigana
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カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Lesen Sie カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.864 Zeichen · 93 Bildschirme
そして静かに身の来し方を返り見た。
幼い時からクララにはいい現わし得ない不満足が心の底にあった。いらいらした気分はよく髪の結い方、衣服の着せ方に小言をいわせた。さんざん小言をいってから独りになると何んともいえない淋しさに襲われて、部屋の隅でただ一人半日も泣いていた記憶も甦った。クララはそんな時には大好きな母の顔さえ見る事を嫌った。ましてや父の顔は野獣のように見えた。いまに誰れか来て私を助けてくれる。堂母の壁画にあるような天国に連れて行ってくれるからいいとそう思った。色々な宗教画がある度に自分の行きたい所は何所だろうと思いながら注意した。その中にクララの心の中には二つの世界が考えられるようになりだした。一つはアッシジの市民が、僧侶をさえこめて、上から下まで生活している世界だ。一つは市民らが信仰しているにせよ、いぬにせよ、敬意を捧げている基督及び諸聖徒の世界だ。クララは第一の世界に生い立って栄耀栄華を極むべき身分にあった。その世界に何故渇仰の眼を向け出したか、クララ自身も分らなかったが、当時ペルジヤの町に対して勝利を得て独立と繁盛との誇りに賑やか立ったアッシジの辻を、豪奢の市民に立ち交りながら、「平和を求めよ而して永遠の平和あれ」