Japanische Klassiker mit Furigana
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チェーホフのたんぺんについて
カシタンカ・ねむい 他七篇
神西 清
Lesen Sie カシタンカ・ねむい 他七篇 (チェーホフのたんぺんについて) von 神西 清 (じんざいきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.418 Zeichen · 92 Bildschirme
ついでに記して後考をまつことにしたい。
だがそれにしても、僕はことさらチェーホフの非情を強調している嫌いがありはしまいか。何かしら異説を立てる快感のようなものに酔っている傾きがありはしまいか。なるほど非情は非情にしても、人間まさか機械人形ではあるまいし、やはりそこには何かしら或る信念のようなもの、あるいは夢想のようなものもあって、それが絶えず息抜きの働らきをしていたのではあるまいか。……
なるほどそう考えてみれば、チェーホフには少くも一つ手近な具体的な信念があった。それは「個人」のうちに救いを見るという思想である。彼によれば、優れた個人はそこここに散らばって、今のところ社会の端役を演じているにすぎないが、しかもその働らきを見逃すわけにはいかない。現に科学は日に月に進歩し、社会的自覚は伸長し、道徳問題は波だちはじめているではないか。それは総体としてのインテリゲンツィヤには一切無関係に行われていくのだ(一八九九年二月、オルロフ宛の手紙)。更にこれを噛み砕いて言えば、『三人姉妹』(一九〇〇)の一幕目でヴェルシーニン中佐が述べるセリフになる、――現在あなたがたのような人がたった三人だとしても、やがて六人になるかも知れない。