Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.444 Zeichen · 30 Bildschirme
そういって、眼に見えないくらい顔を赧らめた。そのちょっとしたことに、偽わりのない愛の感情がよく現われていた。そういう素直なそぶりを見ると、キャラコさんの心に、むかしの友情が甦ってきた。キャラコさんは、同感の微笑をして見せた。
緋娑子さんは、冷淡に眼を外らしながら、
「……そればかりではなく、あんな稚拙な感傷をぶちまけた自分の手紙が、どこかに保存されていると思うだけで、いまのあたしの感情ではとても耐えられないことなの。おわかりになる?」
キャラコさんは、それには返事をしない。緋娑子さんは人生にたいして、たいへん我ままだと思う。失敗した自分の過去をいちいち拭い消せるものなら、誰にしたって、それは望ましいことであろうけれど……。キャラコさんが、たずねる。
「それで、あたしに、どうしろとおっしゃるの」
「手紙の束を持ち出して来ていただきたいの」
キャラコさんが、ききかえす。
「……つまり、盗むのね」
緋娑子さんは、わかりきったことを、といった顔つきで、自若とこたえた。
「ええ、盗んで来て、ちょうだい」
「よくわかってもらって、持って来るのではいけませんの」
緋裟子さんは、冷笑をうかべながら、