Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme
真症なの、ちょうど膿疱期だから危ないわね。あなたのようなお嬢さんがだい好きだから、抱きつくかも知れないわ」
そして、勝ちほこったように、高笑いをした。
九
夜があけかかっていた。
キャラコさんは、もう、すっかり落ちついていた。
保羅が、新聞社へ原稿を送ってあるというのは本当だとしても、その方法はたいして成功しそうもなかった。信用のある新聞は、そんなことぐらいでたやすく動かされるはずはないし、ちょっと調査をしただけで、保羅の悪計だということをすぐ見ぬいてしまうだろう。
また、自分にしても、赤新聞が書き立てる醜聞を恐れなければならないような弱いところはすこしもなかった。
もともと、世間の評判などは、それほど価値のあるものだと思っていないし、そんなものぐらいで自分の価値が左右されるとも考えない。書きたてたければ、書き立てたって一向差し支えのないことだった。
しかし、そうだといって、いたずらに笑殺してしまうようなことは、あまり聡明なやり方だとは思われない。そんな意識の低いことではなく、二人の心をなだめ、充分にお互いの気持がわかり合えるようにしなくてはならないとかんがえていた。