Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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キュリーふじんのいのちのほのお

キュリー夫人の命の焔

宮本 百合子

Lesen Sie キュリー夫人の命の焔 (キュリーふじんのいのちのほのお) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.738 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

学と数学との学士号をとる迄がんばり通した四年間。マリヤがそういう生活に耐えて、二十六歳のころ物理は一番で、数学は二番という成績で学士号を得たのが、決してただの負けじ魂や女の勝気や名誉心からではなかったことを、私たちは深く心にとめて味わわなければならないと思います。マリヤは、しんから科学の学問がすきで、そこに尽きることのない研究心と愛着とを誘われ、そういう人間の知慧のよろこびにひかれて、その勉強のためには、雄々しく辛苦を凌ぐ粘りと勇気がもてたのでした。このことは、彼女が同じソルボンヌ大学で既に数々の重要な物理学上の発見をしていたピエール・キュリーと知り合い、互に愛して結婚してから後の全生涯の努力とも最後まで一貫しているマリヤの命の焔です。もしも彼女が、上成績で学位をとったことを、これから安楽な奥さん生活を営むためにより有利な条件として利用しようとでもする俗っぽい性根であったなら、決してピエール・キュリーのような天才的な、創意にみちた科学者の人柄と学問の立派さを理解することは出来なかったでしょう。何故なら、保守的な学界のなかで、当時三十五歳だったピエールの学者としての真価は決してまだ十分には認められていなかったのですから。