Japanische Klassiker mit Furigana
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キリストきょうにゅうもん
キリスト教入門
矢内原 忠雄
Lesen Sie キリスト教入門 (キリストきょうにゅうもん) von 矢内原 忠雄 (やないはらただお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.257 Zeichen · 234 Bildschirme
されど我が意にあらずして、御意の成らんことを願う」と祈った。イエスはかく祈りつつ悲しみ迫り、いよいよ切に祈れば、汗は地上に落つる血のしずくのごとくであった。祈りを終え、起ちて弟子たちの処に来て見れば、皆憂いによって眠っていた。イエスは彼らにむかい、「何ぞ眠るか、起ちて誘惑に入らぬやうに祈れ」と言った。
「この酒杯を我より取り去りたまえ」とは、この苦痛をのがれさせ給えとの意味である。敵に捕えられて恥辱の死につく運命をまぬがれしめ給え、とのことである。しかしこの苦痛の酒杯を飲みほすことが神の意思であるならば、その神の意思に己の意思を一致せしめることをイエスは願ったのである。
イエスがこのように死と対決して苦しんだのは、単に肉体の死の苦痛のゆえではない。神の愛しみ給う子たる自覚をもって世に遣わされた者が、十字架の上に恥辱の死を遂げるということは矛盾ではないか。これがキリストたる者の生涯であろうか。イエスは公の生涯に入る端初、荒野に四十日四十夜飢えて、おのが神の子たる自覚をきびしく試練されたように、今や最後の時が迫って、再び己がキリストたるの自覚をきびしく吟味せざるをえなかったのである。