Japanische Klassiker mit Furigana
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ココナットのみ
ココナットの実
夢野 久作
Lesen Sie ココナットの実 (ココナットのみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.448 Zeichen · 35 Bildschirme
妾は夢中になって身体を引っこめかけた。ブル・オヤジが、わざと云わなかった名前が相手にハッキリ通じたに違いないと思った。それと同時にウルフが正体をあらわすにちがいないと思った。今にも運転手の強力に押えられている両手を振り切って、黒い包みを相手にタタキ付けるかと、息を詰めて身構えていたが、ウルフは矢張り、そんな気振りをチットモ見せなかった。ブル・オヤジからそう云われると同時に、意気地なくグッタリと首をうなだれてしまった。
ウルフのそうした姿を見ると、ブル・オヤジは、なおのこと大きな声でタンカを切り出した。
「貴様等の秘密行動は一から十まで俺の耳に筒抜けなんだぞ。日本の警察全体の耳よりも俺の耳の方がズット上等なんだぞ。貴様がこのごろここへ出這入りし初めた事も、タッタ今、貴様の変装と一緒に、或る方面から電話で知らせて来たんだ。だから俺は大急ぎで飛ばして来た。貴様の面を見おぼえに来たんだ。いいか……」
「……………」
「……敵にするなら敵でもいい。貴様等の首を絞めるくらい何でもない。論より証拠この通りだ。貴様等みたいな青二才におじけて俺の荒仕事が出来ると思うか。