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Japanische Klassiker mit Furigana

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シベリヤにちかく

シベリヤに近く

里村 欣三

Lesen Sie シベリヤに近く (シベリヤにちかく) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.803 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

「畜生共、横着なんです、また動こうとしないんです。――豚奴、こうして呉れる!」

高村はいきなりこう叫ぶと、馬から跳びおりて、間近な苦力の横顔に乗馬鞭をふりおろした。苦力はきゃあ! と悲鳴をあげると、輜重車の積荷から転げ落ちた。

「さあ、野郎どうしても動かないというのか!」

第二の鞭はぴゅうと唸りながら次の苦力に向かった。

「…………けえッ!」

苦力は鞭の威嚇に肩を聳かして、車の反対側に跳びおりようとしたが、

「あッ……」

と、悲鳴をしぼってのめり落ちてしまった。彼が跳びおりない間に、素早く鞭の蔓が閃めいて、裸形の背中を鋭くはためきつけたのだ。

「畜生! 太々しい野郎どもだ」

血迷った高村は、すかさず第三の男に襲い掛ろうとした。右手で高く鞭を振り廻した。

「待て! 高村、一体どうしたというのだ?」

隊長が怒鳴った。

「はッ、野郎どもは始末におえない横着者なのです」

彼は血走った眼を無念そうに瞬いた。そして直ぐに走り出そうとした。

「待て! 彼奴等は何が不足なのだ?」

「は、賃金の値上げをしろというんです。奴等の意地悪い手なんです。こっちの弱味につけ込んで無理を通そうという腹なんです。