Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
すべての芽を培え
青春を通り越したというのでしきりに残り惜しく感じている人があるようですが、私はまだその残り惜しさをしみじみ感ずるほどな余裕をもっていません。それよりも、やっと自分がハッキリしかかって来たということで全心が沸き立っているのです。時々自分の青春を振り返ってみる時にはそこに自分の歩かなければならなかった道と、いかにも「うかうかしていた」自分の姿とを認めるきりで、とても過ぎ去った歓楽を追慕するような心持ちなどにはなれません。もう少し年を取ったらどうなるかわかりませんが、今のところでは回顧するたびごとにただ後悔に心臓を噛まれるばかりです。
しかし私は青春と名のつく時期を低く評価してはおりません。恐らくそれは、人生の最も大きい危機の一つであるだけに、また人生の最も貴い時期の一つでしょう。その貴さは溌剌たる感受性の新鮮さの内にあります。その包容力の漠然たる広さの内にあります。またその弾性のこだわりのないしなやかさの内にあります。それは青春期の肉体のみずみずしさとちょうど相応ずるものです。そうして年とともに自然に失われて、特殊の激変に逢わない限り、再び手に入れることのむずかしいものです。