Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
一一
しかしその刺激のゆえに彼に感謝する。
一一
私はこういう事を夢みている。――私は自分の体験から、私のファウストを書かねばならぬ、と。この夢想の情熱は、わからないなりにファウストを読んだ少年の時から年とともに、経験とともに、高まって行く。
もとよりそこには、ファウストを書き得た偉大な人格のように、高く全く自己を築き上げようとする欲動がひそんでいる。そしてその欲動のゆえに自己を悲観し自己を鞭うつ。
私の考えでは、私の夢想するファウストは私の愛がゾシマのように深くならなくてはとても書けそうにない。今の私の愛は愛と呼ぶにはあまりに弱い。私はまだ愛するものの罪を完全には許し得ないのである。愛するものの運命をことごとく担ってやることもできないのである。それどころではない。迷う者を憐れみ、怒るものをいたわることすらもなし得ない。力の不足は愛の不足であった。我を張るのは自己を殺すことであった。自己を愛において完全に生かせるためには、私はまだまだ愛の悩み主我心の苦しみを――愛し得ざる悲しみを――感じていなくてはならない。
しかし私はこの愛の理想のゆえに一つの「人間」